トップ > ライフアシスト > いきいきOB訪問2

ライフアシスト

いきいきOB訪問2

竹細工から竹細工アートへ

森 照雄さん

出会いは雑誌に出ていた竹細工のバッタの写真だった。自分でも作れないものかと試すと、上々の作品ができた。竹細工作りに火がついた。

本文

冊子本文はPDFにてご提供しております。本ページをご覧いただく前に是非ご一読ください。

竹細工から竹細工アートへ(PDFファイル 331KB)

サイドストーリー

初級から上級、さらにインストラクターランクまで

一般に竹細工といえば、竹トンボや水鉄砲などの玩具、昆虫や小動物の置物、竹笊(ざる)や竹篭などの日用品をイメージすることが多いだろう。しかし、森さんが目指している竹細工アートは、まさにアートの名にふさわしい工芸品的な領域にまで高められている。

森さんは自分の作品群を「加工作品の技術レベル」と題した分類表にまとめ、昆虫・動物・魚・花・干支・鳥類といった15のジャンル分けをしているが、それらの作品の一つひとつを初級・中級・上級・インストラクターの4つにランク分けしている。インストラクターのランクがあるのは、森さんが開いている教室には他の場所で教えている人も通っているからだ。この分類表は二年前に初版を出し、その後、開発した作品を追加して今年四月に最新版をまとめなおしたばかり。

初級・中級には、箸や箸置き、ペーパーナイフなどの「日用品」、竹トンボ、ウグイス笛などの「玩具」、犬、ねずみ、ウサギ、ライオン、象などの「動物」といったジャンルがあり、これらは従来からよく見ることができる竹細工だ。

竹細工の次元を超えた「森バンブークラフトワールド」

しかし、上級やインストラクターレベルの作品は、竹細工の領域をはるかに超えて森さん独自のバンブークラフトワールドを創り出している。

上級ランクには十二支の「干支」、尾長鶏、フクロウ、ペンギン、白鳥、白鷺などの「鳥類」、猫、馬、鹿、カンガルー(親子)、キリン、サイなどの「動物」、スズラン、ナデシコ、スミレ、カタクリ、ヒマワリなどの「花(立体)」などがある。ここで、「花(立体)」としているのは、電気鏝を使って竹の表面に濃淡の焦げ目を入れて作る「絵画」のジャンルがあり、その中に「花」「風景」などのグループがあるからだ。

「花」の上級レベルには、桜、朝顔、百合、菖蒲、チューリップなどがある。「風景」には白川郷の梅、「その他」には線香花火、花火(犬と女児)、5頭の羊などがあり、いずれもL判サイズからハガキサイズ中心だが、なかにはA4判(十二支)、B4判(白川郷の梅)という大作もある。

インストラクターレベルに挙げられているのは、クワガタやカブトムシ、鶏、フクロウの飛行、ダチョウなどがあるが、すべてがインストラクターレベルになっているジャンルが「魚」と「乗り物」だ。

「魚」の種類は全部で29種。タイやイワシの仲間、ウマズラハギ、フグ、トビウオ、カツオ、マグロ、カジキ、ハゼ、ムツゴロウなど特長を見事に捕らえた作品だ。「乗り物」には、複葉機、零戦、ダイハツミゼット、オートバイ、人力車、蒸気機関車(弁慶号)、ジェット機、ヘリコプターなどの懐かしいものが並ぶ。

インストラクターレベルの作品の素晴らしさはテーマだけでは分からない。
ひとつの例を挙げれば、森さんがBamboo Craft Artistとして作っている名刺に載せている秋田犬だ。これは頭、目、鼻、耳、胴体、四肢、尻尾の各パーツを竹で掘り出し、それを組み合わせた作品だ。竹細工というより竹を素材とした彫り物、木彫ならぬ竹彫作品と呼ぶ方がふさわしい。

竹細工アートは、孫たちに喜ばれるお爺ちゃんの趣味

「作品のアイデアがなかなか出ないんですよ・・・」とこぼす森さんだが、「創作」ジャンルのインストラクターレベルには、森さんらしいアイデアがぎっしり詰った作品が並ぶ。人形の演奏、バッタのオーケストラ(複数)、バッタのカラオケ、カマキリの横笛、猿のスポーツ(24姿)、飲んベ狸、犬のゴルファーなど、動物たちのイキイキとした動きの一瞬を捉えた見事な作品だ。


様々な森さんの作品

この他、多くは上級レベルに属しているが、アンパンマンやドラえもんなどのキャラクターを扱った「ブローチ・バッジ」のジャンルがある。ひこにゃん、くまモン、ふなっしーなどのゆるキャラや、妖怪ウォッチ、鉄腕アトムなど20種類以上ある。

孫たちが喜びそうなジャンルをこれだけ多くしているのも、“孫に喜ばれるお爺ちゃんの趣味”を意識してのことのようだ。

旺盛なるチャレンジ精神

教室での取材の合間、森さんがさりげなく言った「明日から国立博物館ですね。上野へは行かれますか?」と。一瞬なんのことかと戸惑った。

取材の日は、4月27日(月)であった。そういえば、鳥獣戯画展が開かれると新聞で見た覚えがある。そのことを言っているのだと気が付いたのは、テーブルの上に並べてもらった作品群の中から「竹細工の鳥獣戯画」に目が止まってからのことだった。

「楽しみにしているんですよ。本物が見られますからね」と、嬉しそうな顔をされた。
翌日の28日から6月7日まで、上野の東京国立博物館において、写しでない本物の鳥獣戯画の展示がされる。それも現存する全ての作品の特別展が始まるのだ。心待ちにしている様子が手に取るように伝わってきた。

じっくりと観察し、見きってきたに違いない。その最新作が後日、メールに添付されて届いた。それを紹介させて頂きます。


竹細工の「鳥獣戯画」

(LA No.296)

このページのトップへ