トップ > ライフアシスト > いきいきOB訪問1

ライフアシスト

いきいきOB訪問1

絵手紙の楽しさを 次の世代に伝えたい

一枚のハガキに、絵と言葉を添えて送る「絵手紙」の魅力に取りつかれた萩原敏子さん。絵手紙に出会うきっかけを作ったのは、夫の光一さんだった。


萩原光一さん、敏子さんご夫妻

本文

冊子本文はPDFにてご提供しております。本ページをご覧いただく前に是非ご一読ください。

絵手紙の楽しさを 次の世代に伝えたい 本文(PDFファイル 308KB)

サイドストーリー

萩原さんが絵手紙の講師を務める龍田公民館は、熊本市北区にあり、晩年に肥後・細川家に召し抱えられた剣豪宮本武蔵を祀る「武蔵塚」と隣りあわせている。武蔵はここで、“五輪の書”を書いたといわれる。

平成24年夏、熊本市内を流れる白川が氾濫したおり、萩原さんのご主人・光一さんは、ここ武蔵塚で、武蔵ゆかりの“二天一流”の稽古をされていたそうだ。その時、メンバーから白川が危ないという話を聞き、急ぎ自宅に戻った。迅速な対応で、ご夫妻の身体に被害が及ぶことはなかったが、自宅は天井近くまで浸水。その後の片づけ整理に対する、絵手紙の仲間たちからの支援は本誌に述べたとおり。せっかくリフォームした自宅は、その後の河川改修計画から立ち退かざるを得なくなり、転居を余儀なくされた。充実の日々を送るご夫妻にも、辛い日があった。

取材当日は、熊本市の龍田公民館で、萩原敏子さんが講師を務める絵手紙教室の新年度初の授業が行われる日。公民館と萩原さんの許可をいただいて、その様子を拝見させていただいた。

絵手紙はとにかく「楽しむこと」


絵手紙教室で教える萩原さん

会場には、様々な年齢層の生徒さんたちが集まっていた。すでに一〜二年教わった経験者もいれば、今日が初めてという生徒さんもいる。新年度初の授業ということで、初めは少し緊張感が漂っていた。しかし、萩原さんの巧みな話術で、すぐに和気あいあいとした雰囲気に変わる。「絵手紙に使うのは画仙紙というハガキ。普通のハガキはにじみが出ませんが、画仙紙ハガキなら美しいにじみが出て、色鮮やかになります」。まったくの初心者にもわかりやすいように、道具の使い方や手入れ法を説明する萩原さん。

この日描くモチーフはピーマン。どう描けばいいか生徒たちにコツを伝授する。「ヘタから描くといいと思います。ヘタだけど下手にはなりません」。ジョークを交えた説明に、自然に笑いが起きる。萩原さんが、指導する際に最も重視するのは「楽しんでもらうこと」。楽しくなければ続かない。楽しむことこそ趣味の神髄。そんな思いにあふれた楽しい授業だ。生徒からの質問にも気軽に答える。

その一方で、経験者たちに課題を与えて、その進捗状況を見て回る。アクティブな日々を送る萩原さんらしい指導である。「絵手紙では筆の持ち方が大切になります。集中力を持つために、あえて不自由な筆の持ち方で無心になって書きます」。なるほど、経験者たちを見ると、いずれも独特の姿勢で筆を持ち、集中してハガキに向かっている。われわれ取材スタッフの存在も、まったく気にならないようだ。

「それでは、実際に私が書いてみましょう」。初心者のために、お手本を示す萩原さん。たくさんの生徒さんたちが周囲に集まってくる。その中で、筆を持ち、線引きし、色を付け、言葉を入れていく。さすがの手さばきに感嘆するばかり! そして、それを見つめる生徒さんたちの目が輝いてくる。「私もあんなふうに書きたい」。そんな思いが伝わってくる。

実は、この公民館以外にも、萩原さんはボランティアとして、高齢者施設などで絵手紙を教えている。どんな生徒さんにも心を開いて向き合い、ひとりひとりに寄り添った指導を行っている。その語り口と指導法が、熊本の絵手紙ファンを増やしてきた。

授業はいよいよ佳境。経験者も初めての生徒さんも、絵手紙の世界に没入し、心穏やかに時を過ごしている。その楽しそうな表情を心に焼き付けながら、われわれ取材スタッフは会場を後にした。ああ、素晴らしき絵手紙の世界。

このコンテンツ(映像)をご覧いただくには、Adobe Flash Playerが必要です。
Adobe Flash Playerは、以下よりダウンロードできます。
※ダウンロードは無償です。
フラッシュプレーヤー

(LA No.296)

このページのトップへ