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電話局のある風景

国際貿易都市横浜の中心街に建つ旧電話局
横浜都市発展記念館・横浜ユーラシア文化館(旧横浜市外電話局)

逓信省、電電公社、NTTと移り変わってきた電気通信事業の歴史。日本全国に残る歴史的な電電建築物や街のシンボルとして今なお活躍する施設など、元電話局や通信施設とその周辺の街を訪ねるコーナー『電話局のある風景』。今回は、全国住みたい街ランキングで1位を獲得するなど住む街としてはもちろん、遊びに行く街としても人気の高い横浜にある旧電話局とその周辺を訪ねます。

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国際貿易都市横浜の中心街に建つ旧電話局 横浜都市発展記念館・横浜ユーラシア文化館(旧横浜市外電話局)本文 (PDFファイル 635KB)

サイドストーリー

「横浜三塔物語」を歩こう

読者の皆さま。突然ですが、横浜といえば、どんな歌を思い浮かべますか。
「ブルー・ライト・ヨコハマ」(1968年)ですか。「よこはま・たそがれ」(1971年)ですか。それとも「伊勢佐木町ブルース」(1968年)ですか。すこし前なら「赤い靴」(1922年)や「別れのブルース」(1937年)、「港町十三番地」(1957年)などもありますね。私は、青春時代の1ページを飾ったユーミンの「海を見ていた午後」(1974年)とオフコースの「秋の気配」(1977年)が忘れられません。24歳の夏、はじめて女の子とドライブで江ノ島に行って、帰りに横浜山手のドルフィンで食事しました。数ヶ月後、彼女は郷里の浜松に帰ってしまい、私の心は秋の気配というわけです。

横浜生まれでも、神奈川育ちでもない私でも横浜の歌というだけで何曲も想い浮かべることができます。皆さんも、これ以外に何曲も思い出す歌があることでしょう。港町・横浜、ロマンチックな歌の材料には困らない街ですね。

しかし、開港(1859年)から百数十年後の20世紀終わり頃、「みなとみらい21」の再開発が進み、ランドマークタワーが建ち、パシフィコ横浜ができ、日産がグローバル本社を置くようになると、横浜の表情は「昔懐かしい港町」から「港のある近代都市」へと変貌しました。

今回歩いた「横浜三塔物語」は、旧市街といえる関内地区と新しい街みなとみらいを結びつける「ウォーターフロント」界隈にあります。

「横浜三塔物語」は、本誌で紹介した「キング」「ジャック」「クィーン」の三つ塔を同時に眺めることのできるスポットが3カ所あり、そこを一日で巡ると願いが叶うという伝説のことです。カップルで巡れば結ばれるという噂もあります。

ではまず改めて三塔から紹介しましょう。

「キングの塔」は、神奈川県庁です。五重塔をイメージさせるスタイルで、昭和初期に流行した帝冠様式のはしりといわれています。1928(昭和3)年竣工、高さは49mです。

キングの塔(神奈川県庁)
キングの塔(神奈川県庁)

「ジャックの塔」は、横浜三塔の中で一番はじめに建てられた、横浜市開港記念会館です。1917(大正6)年7月1日(現在[太陽暦]の6月2日)の開港記念日に開館しました。赤レンガの時計塔がシンボルの美しい建物です。現在の内部は、関東大震災で外壁を残して屋根と内部が焼失したため、そのほとんどは1927(昭和2)年に修復された時のものです。高さは36mです。

ジャックの塔(横浜市開港記念会館)
ジャックの塔(横浜市開港記念会館)

「クィーンの塔」は、海に一番近い横浜税関です。竣工は1934(昭和9)年。高さは三塔で一番高い51mです。海と青空が似合う美しい塔です。

クィーンの塔(横浜税関)
クィーンの塔(横浜税関)

この三塔を同時に眺められるポイントは、「日本大通り」「赤レンガパーク」「大さん橋」の3カ所にあり、それぞれに目印となるプレートが埋め込まれています。

ではまず、旧横浜市外電話局から一番近い「日本大通り」のスポットへ行ってみましょう。日本大通りは横浜スタジアムのある横浜公園から海までまっすぐに伸びた広い通りです。
日本大通りに面して立つ「横浜地方検察庁」の玄関脇に「電信創業の地」の碑が建っています。碑文には「明治2年(1839)12月25日、この場所にあった横浜電信局と東京電信局の間にわが国ではじめて電報の取り扱いが行われました。」と刻まれていました。横浜は、はじめて物語には欠かせない地でもあるんですね。

日本大通りを海に向かって
日本大通りを海に向かって

「電信創業の地」の記念碑
「電信創業の地」の記念碑

日本大通りを県庁の向かい側に渡り、歩道を確認しながら歩いて行くと…
ありました。「横浜三塔物語」のプレートです。

「横浜三塔物語」のプレートです

木が茂っていたり、イベントのテントが張られていたり…三塔は見えるのでしょうか。確かに、本当に僅かですが、三塔を眺めることができました。

三塔

日本大通りから海岸通りを渡ると広場があります。右に行けば大さん橋、左が象の鼻パークです。上を、昔の鉄道跡を利用した遊歩道「山下臨港線プロムナード」が通っています。

プロムナードの上から、美しいクィーンの塔を眺めることができます。キングも見えます。しかし、ジャックを望むことはできません。「横浜三塔物語」はなかなか難しいものなんですね。

プロムナードを歩いて、横浜赤レンガ倉庫を目指します。レールの残る橋を渡って、海沿いに右手の方向が、「横浜三塔物語」のポイントです。

レールの残るプロムナードの橋
レールの残るプロムナードの橋

横浜三塔物語のポイントに向かう歩道
横浜三塔物語のポイントに向かう歩道

横浜赤レンガ倉庫の、大さん橋よりの先端にきました。ありました。「横浜三塔物語」のポイントを示すプレートです。

「横浜三塔物語」のポイントを示すプレート

港町の雰囲気

街並みの手前をボートが通り過ぎたりして、港町の雰囲気は満点です。

横浜赤レンガ倉庫は、もともと明治から大正にかけて保税倉庫として建設されたもので、使われなくなっていたものを「横浜みなとみらい21」の再開発で、商業施設や展示スペース、ホールなどにしたものです。
広大な広場のスペースでは、様々なイベントが行われます。

赤レンガ倉庫のイベント広場
赤レンガ倉庫のイベント広場

シーバスのりば「ピア赤レンガ」
シーバスのりば「ピア赤レンガ」

赤レンガ倉庫の裏側の水辺に、船着き場を見つけました。名称は「ピア赤レンガ」です。1時間に2本ほど運行されている「シーバス」は、山下公園まで10分で、350円です。大さん橋を一巡り、乗ってみることにしました。

横浜港のシーバス
横浜港のシーバス

赤レンガ倉庫とランドマークタワー
赤レンガ倉庫とランドマークタワー

大さん橋の先端
大さん橋の先端

横浜ベイブリッジ
横浜ベイブリッジ

氷川丸とシーバスの桟橋
氷川丸とシーバスの桟橋

あっという間に山下公園に到着です。昔から横浜港の名所として名高い「氷川丸」の横に着きました。

さて、これから山下公園を歩いて、大さん橋にある「横浜三塔物語」の第三のポイントを目指せば目的達成となるのですが…。
見上げるとそこに、マリンタワーが屹立しておりました。人生まもなく60年、いまだに登ったことがありません。これはやはり、参らぬわけには参りません。

横浜マリンタワーは開港100年を記念して建てられた横浜港のシンボルで、全長106m、展望階の高さは94mです。高さではスカイツリーや東京タワーにかないませんが、知名度では負けていません。

横浜マリンタワー
横浜マリンタワー

展望階からの眺め

展望階からの眺めです。氷川丸から山下公園、大さん橋から赤レンガ倉庫まで丸見えです。高い。高いけど、やっぱり少し物足りないのは仕方の無いことです。高さを求めるなら、横浜ランドマークタワーのスカイガーデンは273m、約3倍の高さがあります。もちろん、まだのぼったことはありませんが、さぞかし横浜ベイエリアが一望なんでしょうね。

山下公園に戻って、海岸沿いに歩いて行くと数分で大さん橋に着きます。大さん橋の正式名称は「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」です。もちろん国際空港同様、出入国ロビーもあります。

大さん橋に停泊する客船(手前右「フォーレンダム」、奥「ダイヤモンド・プリンセス」)
大さん橋に停泊する客船(手前右「フォーレンダム」、奥「ダイヤモンド・プリンセス」)

屋上の大半は木製のデッキと芝生で開放感に包まれています。大型客船が寄港しているときは、間近に望むことができます。取材日には超大型の「ダイヤモンド・プリンセス」(全長290m、11万5000t)と「フォーレンダム」(237m、6万1000t)の2隻が接岸していました。とにかく、べらぼうにでかいです。

「横浜三塔物語」のポイントは、「ハートロック・スポット」という観光名所にあります。大さん橋の一番奥まで行って、少し戻ってくる場所です。

ありました。「横浜三塔物語」3番目のスポットです。さて、これでどんな願いを叶えてもらいましょうかね。

ところで、大さん橋を歩く間、ずっと巨大客船が横に見えていました。こんな巨大客船を同時に見られることはあまりないかもしれません。“港運”だなあなんて思ったんですが、大さん橋の回りの景色が見えません。なんと。三塔も見えませ〜ん。かろうじてキングが見えるだけです。

「ハートロック・スポット」から「横浜三塔物語」方向を望むが…
「ハートロック・スポット」から「横浜三塔物語」方向を望むが…

「横浜三塔物語」の願いが叶うのは、3スポットを巡るだけでいいんでしょうか。それぞれで三塔が見えないといけないんでしょうか。

出港する「フォーレンダム」
出港する「フォーレンダム」

 夕暮れの「みなとみらい21」
夕暮れの「みなとみらい21」

大さん橋に夕暮れが迫ってきました。「フォーレンダム」が汽笛と共に出港していきました。次は何処の港を目指すのでしょうか。「ライフアシスト9号」でも紹介しましたが、船の旅というのはいいですよね。「横浜三塔物語」に叶えてもらう願いは、妻と2人での海外クルーズとしておきましょうか。あ、妻は船が苦手で何泊もするなんて、絶対無理でした。

皆さん、願い事は別にして横浜を訪ねてみませんか。様々な発見や出会いが待ち受けていると思いますよ。

そうそう、後日、大さん橋の「横浜三塔物語」スポットから写真を撮っておきましたので最後に紹介します。

船がいないときの大さん橋「ハートロック・スポット」
船がいないときの大さん橋「ハートロック・スポット」

(LA No.177)

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