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OB対談 | いきいきセカンドライフ1

俳句 一人の人間として向き合う

〜緑の中を散策しながら〜
山中正己さん&疋田雪子さん

今回対談の場所となった日比谷・松本楼は、日比谷公園内にある洋風レストラン。1903年にオープンした歴史あるレストランで、今も多くの人々に愛されています。日比谷公園内にあるだけに、周辺は緑にあふれていて、さながら都心のオアシスのようです。対談を終えたお二人は、雨上がりの緑の中を散策しながら、なごやかに俳句やお互いの近況について語り合いました。

本文

冊子本文はPDFにてご提供しております。本ページをご覧いただく前に是非ご一読ください。

俳句 一人の人間として向き合う本文 (PDFファイル 1.1MB)

サイドストーリー

疋田 お目にかかるのは久しぶりですね。相変わらずお元気でご活躍のようで。

山中 いや、実は体調を崩して入院して、この間退院したばかりなんですよ。それでも入院中に考えるのは俳句のことばかり。入院したのがちょうど上弦の月の時で、退院したのが下弦の月だったので、どちらも俳句に詠みました。

疋田 私も少し前に背骨を圧迫骨折して、三か月間入院しました。ほかにやることもないので毎日俳句をつくろうと決めて、病院のベッドの中で頭をひねっていました。

山中 病院でも俳句のことが頭から離れないのだから、お互いに俳句のない生活など今ではもう考えられませんね(笑)。

疋田 本当に俳句に出会えてよかったと思います。

山中 在職中はお互いに忙しかったですからね。

疋田 終電ギリギリで帰るのが当たり前でした。

山中 在職中は仕事に関する句も詠みました。平成三年の東京の市外局番の四桁化の時には、広報として周知に苦労しました。それで詠んだのが、「局番四桁周知万端子去年今年」。

疋田 当時を思い出させる句ですね。あの頃の忙しさも今では良い思い出です。

山中 今は仕事を離れて、肩書きも何もなしに自由に句をつくらせてもらっています。

疋田 ただ男性には、退職後も現役時代の肩書きを背負ったままの方も多いようですね。

山中 そうなんです。かつての肩書きをひけらかして、高圧的な物言いをする方もいるようです。せめて俳句に親しむ時間は、肩書きなんか捨てて欲しいですね。

疋田 俳句の良いところは、一人の人間として題材に向き合って句をつくれるところです。句会では誰もが一緒。俳句を通して自然体でお付き合いしたいものです。

山中 まったくその通りです。私たちは、句会の後でよく飲み会をやりますが、そこでも、いろいろな環境にある人たちがお互いに心を開いて、楽しく俳句について語り合っています。

疋田 山中さんは、どんなふうに俳句をつくりますか?

山中 私は、ちょうどカメラマンが被写体に向かうように、「これを題材にしたい」と思った瞬間をそのまま切り取って俳句にします。

疋田 しっかりと題材に向き合うことが大切ですね。私も、発見したものや感動したものを心に焼き付けて句にします。

山中 これからもお互いに良い句をつくりましょう。

疋田 そのためには長生きしなければいけませんね。

山中 現代俳句協会の会員の平均年齢は72〜73歳ぐらい。80歳なんて珍しくありません。みんな元気でがんばっているのだから、我々も負けられません。

疋田 昔は72歳ぐらいまで生きられたらいいと思っていたけれど、いつの間にかそれを超えてしまって。自覚は全然ないのですが(笑)。

山中 私も西行が72歳まで生きたので、それを目標にしていたら超えてしまいました(笑)。今は良寛の74歳を目標しているところです。

疋田 お互いにこれからも体に気をつけて頑張りましょう。

ところで、お二人ともNTTのOBらしく退職の記念にテレホンカードを作られています。
俳人らしく自作の句が詠まれたテレカを改めて紹介します。

行く春や別れし人に逢いたくて
疋田雪子さん
好き嫌ひ素直に言えて卒業す
山中正己さん

お二人の作風が垣間見えるような、句に思えましたが・・・。
俳句のみならず、文学への造詣が深いお二人。
その片鱗を垣間見たのが俳誌「炎環」に入選されている疋田さんのエッセイ。俳句を始めた頃の心情、直方の故郷描写から憧れたといわれる俳人、野見山朱鳥(のみやまあすか)のこと。制限された枚数の中、簡潔ながら情景が浮かび上がる清明な文章で、ご紹介できないのが残念です。
また、山中さんの洒脱でユーモアを交えながらも正鵠を射る俳句。師と仰がれてきた楠本憲吉先生への思慕。文芸誌「ボイス」に連載された“俳句的ボクの生活”などを拝読するだけで山中正己さんの人柄、俳句への傾倒、文学への造詣の深さがうかがえました。

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