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巻頭インタビュー いまを生きる

編集子余談

佐藤 初女さんについて

10月初旬「森のイスキア」での佐藤初女さんの取材に伺った。
途中、幾つかのポイントで写真を撮り、岩木山麓・湯段温泉の森のイスキアに着く頃には雨が落ちてきた。
午後からの取材アポイントであったが、雨が本降りとなり屋外での撮影が難しくなるのを恐れて、失礼ながら昼前に訪問させてもらった。


初女さんが大好きな、玄関のテラスにて。

久し振りの訪問。10年前にお会いした頃に比べると初女さんは、ひと回りふた回りほど小さくなられた。
大急ぎで玄関に佇む初女さん、周囲の撮影を先行して済ませ、インタビューとなった。
昼時でもあり、昼食が供された。食事の写真も欲しいと密かに願っていたことが実現した。


膳が並ぶ。すると、初女さんは黙って席を立ち炊飯機の傍らでご飯をよそってくれた。同行したカメラマンがすかさずシャッターをきる。
もう一つ、食事が終りデザートに蒸栗が出た。我々は不器用に栗を割りスプーンで掬っていた。初女さんはナイフを手にして栗の皮をそっと剥きはじめた。
きれいに皮が取られ、栗の形そのままに実が取り出された。ゆったりとした、丁寧な丁寧な仕事ぶりを目の当たりにした。

言葉に出さない、何も云わない。ただ自然な振る舞いの中で、私達が欲していることを察知し、体現してくれていた。
龍村仁さんが「地球交響曲・第二番」の撮影で佐藤初女さんから感じたことと同じことが、私達の前で再現されていた。

「森のイスキア」の活動は日本国内から海外へも広がっていると言われます。ハワイ、LA、ベルギーetcと、初女さんに賛同する人々が各地でイスキアを開設しているとか。初女さんは、その支援・応援。全国各地での講演・料理講習会と忙しい日々、というよりは超多忙である。翌日からは、名古屋で開催される“COP10”の国際会議に講師として招聘されているとのことであった。

龍村監督が、本誌の取材で語った『初女さんは、映画に出演していなくても私たちに素晴らしい生き方を示してくれ、世の中に出て行く方』。
正にそのとおりであり、その生き方の根は、地球上に大きく張りめぐらされてきているようだ。

翌日から名古屋へと出張予定の中、無理をお願いした森のイスキアでの取材。5人のスタッフの皆さんがいらっしゃった。取材を終え、お暇(いとま)する我々に、アメリカ・コネチカット州の女子修道院から贈られた「鐘」が打ち鳴らされた。
雨の中、神に届けと鐘の音が鳴り渡る。5人が傘の下で手を振る。初女さんは玄関の板敷きに小さくかしこまり、じっと見送られた。

「清々しい取材」ただその一言に尽きた。

「イスキアにまつわるエピソード」について
生きることに虚しさをおぼえ希望を失った青年が、少年の頃に行ったイスキア島を思い出して再び訪れる。そしてそこで暮らすうちに島の美しい風景に心を癒され、現実の中に立ち戻る活力を得る。その物語から「森のイスキア」と命名されました。

龍村 仁さんについて

龍村仁監督を取材訪問したのは9月が終わろうとする頃であった。この日も生憎の雨。外での撮影を諦め、インタビューと並行した事務所内での撮影のみ。後日、晴天の新宿御苑でスナップを撮影することができた。
監督にお会いするのも10年ぶり、そのときも同じこの御苑前の事務所であった。

本誌「ライフアシスト」の読者層は主にシニア。このシニア層に監督からメッセージが頂けないか、例えば、シニアの生き方について・・・。と、お聞きした。
返ってきた言葉は『シニアはこれまでの経験と蓄積があります。その知恵があれば何も心配することはありません』という応えだった。
10年前、還暦を迎えた頃の監督にインタビューした中に「あらゆる経験は無駄じゃないです。どんなネガティブに見える経験でも・・・そこの中に次のステップへの何かをみつけられるかで意味が変わってくる。あらゆる体験は必ずプラスになっていく。プラスになるかどうかを問われているわけだ」とあった。

そう、監督は自分の生きてきた中に全ての証がある。と言っておられる。
これまでの人生には、何の無駄も無いんだ。要は、自分がそう思って生きていくことが大切だよと。
10年前と変わらない監督の言葉であった。

地球交響曲は映画館での上映は少ない。映画の内容がいわゆる商業映画とは異なり、観客へのメッセージ性・示唆にとんだ心に訴求する内容。それだけに商業ベース乗らないと、配給会社や劇場側が二の足を踏むからだ。この映画を観た観客一人ひとりの思い、誰かに見せたいという熱意がネットワークされて自主上映のスタイルが確立された。
10年前の観客動員数は約150万人、現在では延べ230万人の人々が観ているとある。筆者も、数多の友人にこの映画を勧めた一人であった。


さりげなく仕事場に置かれた「茶道具」

インタビュー途中、編集機材のテーブルに置かれた「茶道具」が目に入った。お尋ねすると、常に携帯をしてお茶を点てるとのこと。海外ロケでは簡易なセットを数組持参するほどとか。
地球交響曲・第七番の北極圏ロケでは、出演された高野孝子さんに一服点て、茶道具も一式贈呈されてきたそうな。
アルコールを嗜まない監督らしいが、京都の美術織物家にして趣味人としても知られた祖父の影響なのか、環境から自然に身につかれたのか・・・。

10年前の写真と今回撮影の写真を比べると、歳月の流れを実感するのは致し方ないだろう。校正紙のチェックのためにお伺いした際、監督がおっしゃった言葉『年を重ねた、いい味が出ている』『良い写真を選定してくれてありがとう』であった。

事務所を辞した後、撮影をした新宿御苑に向かった。
監督が好みの場所という、すずかけの木(プラタナス)の下、秋の空が殊のほか蒼く澄み渡って見えた。

「潔く、健やかに生き続ける」勇気を頂いた・・・。

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