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地震はなぜ起きるのか

地震とは、「地球内部の特定部分に蓄積されたひずみが、ある限界に達し、一時に解放されて弾性波(地震波)を生ずる現象。および、それによって起こる地表の揺れ」(大辞林より)とのことです。

■図1

大きな被害をもたらす地震の原因となる「ひずみのエネルギー」は、主に地球表面を形成するプレート(岩盤)が移動してぶつかり合うことによって発生します。地球表面は10枚余りのプレートが、モザイク模様に組み合わされてできています。地球内部の溶けたマントルは対流していて、上昇している部分では新たな岩盤を作り出し、下降しているところでは岩盤を地球内部に引きずり込んでいます。

太平洋には、東太平洋海嶺という地殻の発生する場所があり、ここで生まれた地殻は1年に数センチずつ移動し、日本の東側で沈み込み日本海溝となります。(図1)地球上にはこのほか、大西洋中央海嶺などいくつかの地殻形成場所があります。

日本の周辺では、4枚のプレートがぶつかりあっています。(図2)

■図2

太平洋の下を東から移動してくる、太平洋プレート。東日本を乗せた北米プレート。理科の授業が懐かしい「フォッサマグナ」を境に、西日本を乗せたユーラシアプレート。そして、富士山を頂点に伊豆半島を乗せたまま、北米プレートとユーラシアプレートに突き刺さっているフィリピン海プレート。この4つのプレートが押し合いへし合いしているのが日本列島なのです。

中でも太平洋プレートが北米プレートに、フィリピン海プレートがユーラシアプレートと北米プレートの下に沈み込む力は大きく、その場所でひずみのエネルギーが増大する構図となっています。太平洋プレートの沈み込みは、日本列島の下をくぐり日本海まで達しているとみられ、多くの地震の原因を作っています。

プレート境界線近くでは、なぜひずみのエネルギーが溜まるのでしょうか。プレート境界面が滑らかで抵抗がなければ、ひずみができることはありません。実際多くの場所では、プレートは長い時間をかけて磨かれ、さほど抵抗もなくズルズルと滑り込んでいきます。ところが、なんらかの原因により滑りが悪く引っかかってしまう場所があります。そんな場所ではプレートはスムーズな滑り込みができず、「固着域」という動かない場所ができてしまいます。固着域ができてもプレートの動きは止まることなく、ひずみのエネルギーはどんどん溜まります。

■図3

溜まったひずみが限界に達すると固着域は崩壊して、地震を発生させます。固着域の崩壊がプレートの境界面で起きるのは「プレート間地震」、プレート内部で起きるのを「プレート内地震」といいます。固着域の崩壊が海底のプレート境界面で発生した場合(図3A)、津波が発生する可能性があります。固着域の崩壊がプレート境界面でも震源が深かったり(図3B)、プレート内で起こった場合(図3C)には津波は起きません。

図2で示した通り、日本近海で起きている大きな地震の多くは、プレートの境界近くで発生しています。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、日本における史上最大のマグニチュード9.0を記録し、巨大な津波を発生させ大きな被害をもたらしました。これは典型的なプレート間地震とみられ、固着域の崩壊は三陸沖から茨城県沖まで400kmに及んだと見られています。崩壊地域が広大だったことから、その後も多くの余震が発生しています。

地震はプレート境界面だけで起こるわけではありません。乾きかけた粘土板に力を加えて歪ませると、あちらこちらにヒビ割れができるように、プレートに加えられる力により、ヒビ割れの基となる固着域が発生します。地表近くの固着域が崩壊してできたヒビ割れが、活断層です。図4はプレート上の活断層で発生した地震です。活断層による地震は、内陸で発生することから地震規模以上の被害をもたらすことがあります。

■図4

阪神淡路大震災(兵庫県南部地震、1995年)はマグニチュード7.3と巨大地震ではなかったものの、震源が16kmと浅く都市直下型だったため、最大震度7の揺れにより甚大な被害をもたらせました。

活断層には上下方向の縦ずれ断層と水平方向の横ずれ断層とがあります。日本最大の内陸地震である濃尾地震(1891年、M8.0)は、80kmにも及ぶ横ずれ断層を起こすとともに、場所によっては6mの段差も発生しました。2005年発生した福岡県西方沖地震(M7.0)は、海底を震源とする地震にもかかわらず、横ずれ断層の地震であったため津波が発生しませんでした。
大きな地震が起きるのは、プレートの移動とぶつかり合いにともなって発生するひずみのエネルギーの解放だということがおわかり頂けたでしょうか。

大地震はいつくるか

では、次の大地震はいつどこで起きるのでしょうか。

日本に必ず大地震が起きる。
明日必ず日本で地震が起きる。

この2つはほぼ100%間違いのない事実です。未来永劫日本に大地震が起きないわけがありませんし、日本では震度1以上の地震がほぼ毎日複数回起きています。しかし、『明日必ず日本に大地震が起きる』とは、誰も言えません。現在日本で唯一予知の可能性があるのは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界面付近の駿河湾とその沖合を震源とする「東海地震」だけです。「歪計」を設置して地殻の動きをとらえたり、小さな地震の発生状況などから地震を予知しようと研究しています。東海地震の発生の恐れがあると判断された場合には「東海地震予知情報」が発表され、ほぼ同時に内閣総理大臣から警戒宣言が発表されて、本格的な防災体制が敷かれることになっています。しかし、その信頼性と発表後のパニックの心配から実際に「予知情報」が発表できるのかどうかは明らかではありません。

■図5

30年震度5強以上の揺れに見舞われる確率
防災科学技術研究所のホームページより

ところで、あなたの地域の大地震が起きる確率はどれくらいだと思いますか。
図5は、独立行政法人防災科学技術研究所が作成した「30年震度5強以上の揺れに見舞われる確率」を示した日本地図です。赤色が濃いほど発生確立が高くなります。あなたの住む地域はいかがですか。

防災科学技術研究所が運営するWebサイト地震ハーザードステーションでは、「30年 震度6強以上の揺れに見舞われる確率の分布図」「30年 6%の確率で一定の揺れに見舞われる計測震度の領域図」など条件による検索をすることができます。また、さまざまな断層の場所や海の震源域なども表示されますから、あらゆる視点からで地震の発生予測をしてみることができます。30年以内に6%という確率を高いとみるか低いとみるか、それは受け止め方次第ですが、「日本のどこかで大地震が起こる」のは間違いのないことです。「いつかどこかで」ではなく、「ある日自分に」起きることと考えて準備するのが間違いのないことではないでしょうか。

自分で予知してみよう

専門家でも地震の予知は困難なことですが、昔から地震の予知につながる言い伝えや民間研究などたくさんあります。
十数年前、テレビのニュース番組で『大地震は予知できる』という特集企画の取材を担当したことがあるのですが、そのとき取材したものに「地震雲」「ネムノキ」「ミミズ」「井戸水」「鳥」「空の光」「人の脳波」などがありました。それぞれの科学的な根拠は、地震が発生する前のいわゆる固着域が崩壊する前のストレスやその微妙な発散を前兆としてとらえるというものでした。大規模な固着域の崩壊の前に「電磁波」や「高周波」や「低周波」が発生したり、「岩盤の変形」があるというものでした。聞いてみると確かに科学的な感じもしてきて、番組でも『まったく根拠のない話でもない』くらいのとらえ方で紹介しました。その頃の社会環境ではこうした予知に対して科学的な根拠はほとんどない、というものでしたが、今回の記事をまとめるにあたって気象庁のホームページを覗いていたら、「地震予知について」というところでこんな記述をみつけました。

「動物や植物は地震を予知できるのですか?」

動植物には、音、電気、電磁波、匂いなどに対する感知力が人間などに比べ格段に優れているものがあることは知られています。一方、地震は、地中の広い範囲で、固い岩盤同士が、破壊し合い、ずれ合う大きなエネルギーの集中や解放を伴うため、徐々に岩盤が変形し始めたり、地下水位が変動したりして、地震の発生前から非常に微弱で特異な音、電気、電磁波、匂いなどが周辺の地面や大気などに現れるようなことがあれば、それを動植物には感じ取ることができる場合があるのかもしれません。

「地震雲はあるのですか?」

雲は大気の現象であり、地震は大地の現象で、両者は全く別の現象です。雲のたなびく向きは、上空の気流によって支配されています。気流が地形の影響を受けることはありますが、地震の影響を受ける科学的なメカニズムは説明できていません。「地震雲」が無いと言いきるのは難しいですが、仮に「地震雲」があるとしても、「地震雲」とはどのような雲で、地震とどのような関係であらわれるのかが科学的な説明がなされていない状態です。

夏の早朝、東京上空に現れた雲。龍には見えませんか。

つまり、動物を対象とした予知は多少科学的な根拠があり、雲にはないということのようです。地下水の変化などは予知の対象に入れているようですから、井戸水の変化というのはかなり期待できる予知方法かもしれません。
ともあれ、時には空を見上げたり、井戸水を調べたり、動物たちの変化を感じて、地震予知のまねごとをしてみることで「いつかくる地震」を想定し、身近に感じておくことは無駄なことでないと思いますが、いかがでしょうか。

「龍が天に昇っていくような雲が現れると地震が起きる」という言い伝えもあるらしいですが、それって地震雲のことでしょうかね。もちろん科学的な根拠はありません。

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